NISA（少額投資非課税制度）は、日本の個人投資家が一定額までの投資利益を非課税にするための制度です。2024年から新しい制度「新NISA」が導入され、従来のNISAといくつかの点で異なっています。この記事では、NISAと新NISAの違いについて詳しく解説します。
NISAとは？
NISAは2014年に導入され、個人投資家が一定額までの投資利益を非課税にすることができる制度です。以下のような特徴があります。
一般NISA
- **非課税投資枠**：年間120万円
- **非課税期間**：5年間
- **年齢制限**：20歳以上
つみたてNISA
- **非課税投資枠**：年間40万円
- **非課税期間**：20年間
- **対象商品**：金融庁が認めた長期積立・分散投資に適した投資信託やETF
- **年齢制限**：20歳以上
新NISAとは？
2024年から導入される新NISAは、現行のNISAと比べて非課税枠や対象商品などが変更されました。新NISAには「成長投資枠」と「積立投資枠」の2つの枠が設定されています。
新NISAの特徴
- **非課税投資枠**：年間合計360万円
- **成長投資枠**：年間240万円（株式、ETF、REITなどに投資可能）
- **積立投資枠**：年間120万円（つみたてNISA同様の投資信託に投資可能）
- **非課税期間**：無期限
- **対象商品**：成長投資枠と積立投資枠で異なる
- **年齢制限**：18歳以上（現行のNISAの20歳以上から引き下げ）
主な変更点
1. **非課税枠の拡大**：
新NISAでは、年間の非課税投資枠が一般NISAの120万円から360万円に拡大されます。
2. **非課税期間の無期限化**：
現行のNISAでは5年または20年の非課税期間が設定されていますが、新NISAでは非課税期間が無期限となり、長期的な資産形成がしやすくなります。
3. **成長投資枠と積立投資枠の導入**：
新NISAでは、成長投資枠（年間240万円）と積立投資枠（年間120万円）の2つの枠が設定され、それぞれ異なる商品に投資できます。
4. **年齢制限の引き下げ**：
新NISAの利用開始年齢が20歳以上から18歳以上に引き下げられ、若年層の投資を奨励しています。
NISAから新NISAへの移行
現行のNISAを利用している投資家は、2024年から新NISAに移行することができます。移行にあたっては、以下の点に注意が必要です。
- **既存のNISA口座**：現行のNISA口座は2023年まで利用可能。2024年以降は新NISA口座を開設する必要があります。
- **ロールオーバーの制限**：現行のNISAで保有している非課税枠の資産を新NISAにロールオーバー（移行）する際には、成長投資枠の一部として扱われます。
新NISAのメリット
新NISAの導入により、投資家には以下のようなメリットがあります。
- **非課税枠の大幅な拡大**：年間360万円までの投資利益が非課税となり、大きな資産形成が可能になります。
- **非課税期間の無期限化**：長期的な投資が奨励され、非課税期間が無期限であるため、長期的な資産運用がしやすくなります。
- **投資商品の多様化**：成長投資枠と積立投資枠により、投資商品の選択肢が広がります。
- **若年層の投資促進**：利用開始年齢が18歳以上に引き下げられ、若年層の投資が促進されます。
まとめ
新NISAは、現行のNISAと比べて非課税投資枠の拡大や非課税期間の無期限化など、投資家にとって多くのメリットを提供します。2024年からの新制度により、より多くの人々が長期的な資産形成を行いやすくなるでしょう。現行のNISAを利用している方も、ぜひ新NISAへの移行を検討してみてください。
